GOLDRUSH　/　インプレッション

恐れ多い…
　『自身の求める最高のバイクを形にする為に出来る事を全てやったらこうなった』という雰囲気がにじみ出てますね。
「どこそこのメーカーがこんなアイデアを採用してるからウチも真似して…」とか「面白そうなパイプが手に入るのでこのパイプを使って新しい事を…」という話から生まれてくるフレームが多いけど、そういったフレームやバイクには感じられない何かがビンビンに伝わってきます。
このバイクに対して何か言うのは恐れ多いのですが、思った事はいくつか書いておこうと思います。

　『ライダーが起こしたアクションを確実にライディングに使う事』、これが軽量とは一線を画すもうひとつのヨーロッパの流行。

単純に力を逃がさない事を考えるなら、「単純に硬ければ良いのか？」という話になってきますが、ただひたすらに硬いだけのフレームというのもちょっと違う話。
乗り比べるとわかりますが、全くしなやかさの無いフレームだと気持ちよく乗れないんですよね。

そうやって『硬さ』について考えて突き詰めて行けば、このQuarkⅡは『必要な所に、必要なだけの硬さを持たせた硬いフレームのお手本』と言える仕上がりだと思います。

セッティング
　ノーマル状態では、定番セッティングに比べるとかなり高めのハンドルポジションです。飛ぶ前の前輪の下げ方とか飛び出すタイミングが変わって最初はとまどうけど、慣れれば今まで以上のライディングにつながります。例えば…
『ダニエル状態から、前輪を下げれない＆横にも触れない状況から真上に飛ばなければいけない』という状況での身体の動き方が違ってくるし、よくジャコモがやってる『飛んで前輪から着地して、そのままハンドルに体重を預けてネバる』なんて動作も、ちょっと慣れれば非常にやりやすいですね。この技術をマスターすれば、「前輪だけなら何とか引っかかる」という限界の高さや距離の所を、後輪まで連れてくる事が出来る有効な技術だと思います。

アップBBの影響もあって取り回しは基本的に軽いのですが、MAXXISのペラペラタイヤのおかげで異様な軽さがあります。岩の尖った所や土の斜面が多い所ではもっとヘビーなタイヤで乗りたいけど、この硬いフレームで足場の良い所で乗るならこのタイヤでも良いかなと思ってそのまま使ってます。
リアホイールのスポークが頼りない印象だったのでSAPIMに変更したのと、サンディングせずに使いたかったのでブレーキシューを変更した以外はパーツの変更には意味はありません。ブレーキが余ってたとか、ペダルは耐久テスト中とか、チェーンが切れると嫌なので強い物に換えたとか、そんな理由です。独自のハブとか、ガッシリしたクランクとか、理想的なチェーンテンショナーetc,コダワってデザインされたのがよくわかるし、実際に性能面でも最高の物だと感じます。

どんな物にも長所と短所があるのが常ですが、このバイクに欠点やスキは見当たりません。トライアルをスポーツとして考え、合理的に＆コダワりを持って作られた最高のバイク、だと思ってます。