「あ、これズルい!」
・・・・というのが、寺井一希に乗せた時の第一声。
確かに、このヨレない安定感、取り回しの軽さ、ペダルを踏んだ時の横方向の反発や真下にけり込んだ時の縦方向の反発。どれをとっても「スゴい?」と思わせるレベルだし、全てを高い次元で両立させているのは芸術としか言いようがないフレームだと思います。
小さな動きにヒョイヒョイと反応して前に進むフレームではないけど、取り回しの軽さやクイック感、タイヤをつぶした時のダイレクト感のおかげで軽快に動くので「柔らかいフレームに比べてシンドイ」という感覚はありません。
大きく飛ぶ時はしっかりと跳んでくれるし、またこの時の反発の速さが一希の様にしっかりと体が動くライダーには気持ち良くてたまらない感覚だと思います。
跳ぶ前も、飛んで着地した後も、ビシっとした安定感は確実にライディングを助けてくれます。
競技の場でライディングを助けてくれるのはもちろんですが、「不測の事態でもこのバイクならきっと何とか出来る」というのが一希がこのバイクを選んだ理由。世界チャンプが作った「自分が乗りたいバイク」、さすがの仕上がりです。
短めのステムですが、JITSIEのハイライザーのハンドルバーのおかげでハンドル位置は程よい感覚。まぁ、ハンドルは好みが大きく分かれるのでじっくり乗り込みつつベストな位置を探してもらうのが良いと思います。
リムのサンディング加工は必須ですが、それ以上何をどういじろうか?という代物。完成車としてとても良く出来たパッケージだと思います。