優等生...

　でしゃばらず、ジャマせず、必要な時に的確なサポートをしてくれる。　今年乗ったバイクの中では一番の優等生です、間違いなく。基本動作はかなり軽く、狙った所にバイクが動く感覚が強いです。「飛び降りて、ヒネりながら着地して、そのまま前輪を浮かしといて20cm横の岩に前輪を降ろす」なんて状況で、「あなたはこういう風に動かしたかったんだろう？」とバイクが知ってるかの様に自然と正確なライディングが出来る。 前でも上でも大きく跳ぶ時に、「あ、ちょっと失敗した･･･」と思っても、狙ってた所にバイクがスィーっと動いてピタっと止まる。思った以上に跳ぶでもなく、届かないでもなく、狙い通り。ハネる速さも、速すぎもせず、遅すぎもせず、ライダーの動きに必要な速さで。
だからといって、例えばXTPの26みたいに、適当に乗ってもミヨンミヨンと動くわけではなくて、正しい動作でバイクを動かさないと「それじゃダメです。」と言わんばかりに気持ち良く動いてくれない。
何をどうしたらこういうバイクになるのかはわかりませんが、正直ビックリしました。
KOXXらしく、ブツけた時の強度は期待できないので、ストリートにはオススメしませんが、競技系のライディングには最高のパートナーだと思います。
基本動作がしっかりと身に着いていれば、何も気を使わなくても狙った所にバイクが動く。新しい事にチャレンジするにも、跳びの限界を伸ばす練習にも、気を使わなくて良いというのは最高の強み。大会の中でも、狙ったとおりにバイクが動くこと、確実に狙った所にバイクが動くこと、少々ミスっても補助してくれること、これらは大きな助けになるはずです。

単純に楽に動くだけじゃなくて、ただ跳ぶだけでもなくて、頑張るライダーをサポートする、本当によく出来たバイクだと思います。

ポジション
　 開発ライダーのジル・クスティリエは130mmのステムで乗ってたはずですが、少しハンドルが遠く感じたので（身体を目一杯動かすならそれでも良いんですけどね）やや短めのステムにしました。少しBBの高さを感じますが、これは全く問題なし。リアが少し浮きにくい感覚も慣れれば問題無かったです。もう少し短めのステムでアップハンにしたら、それこそ模範的なポジションになると思います。
BBが上がってる割には下りが怖くないし、アップBBの乗り方も通常のBBの乗り方も出来る、マルチなポジションでした。

軽い！
　ECHOのリムや、重量級のKORROSALのタイヤを使ってる割には取り回しが軽いですね、ホイールベースの長さは感じないです。全く必要を感じませんが、軽くするならまだまだ軽量の余地はありますね。

しなり＝ハネ
　タテにも横にもよくハネます。ゆっくりハネさせようと思えばゆっくりと、速くハネさせようと思えばその分だけ速く･･･。特に何も考えずに基本に沿って乗れば、ライダーの身体の速さや狙ってる距離・高さに自動的にあわせてハネる感覚です。ほんと、何をどうしたらこういう仕上がりになるのかわかりません。まだまだ未熟と反省…。



小さいバイクでは無いので、身長165cm〜は必要だと思いますが、ライダーの技量を選ばず、競技系のライディングだけを考えるなら現時点では最高の１台だと思います。