ECHO / TR リムブレーキ
2014/10/10

 6カラーで作ってた頃はかなり安定してたんですが、このカラーリングになってから Oリングの形状を変更してみたら素材が悪かったり、シリンダーの形状を変更したら耐久性に問題が出たり…。 すったもんだの末にマスター側のピストンをリニューアルする事で品質を向上させて登場のECHO TRのブレーキです。

個人的にはこのブレーキの様なスラスト=ピストンがハンドルバーと平行に動くタイプのマスターシリンダーが握りやすくて好きなので、補修用のOリングを作ってみたり、強化用のタブレットを作ってみたりとこのレバーには随分とコダワりました。

「使えないから使わない」じゃ進歩がないということで、メーカーにも散々改善の要請を出して…。最終的にOリングx2個のデザインとする事を承知してくれて現在のモデルとなりました。
お手本にしてるのは一世を風靡した【RBデザイン】のブレーキレバーですが、ピストンのサイズやレバー比は〜2004モデルのMAGURA HS-33をモチーフにしてます。RBはピストン径が少し小さかった事とレバーブレードが長かった事でMAGURA以上の制動力を発揮していましたが、このECHOはMAGURAと同程度、制動力としては決して高いとは言えません。
ただ、制動力は「単純に高ければ良い」ってなものではないと個人的に思うし、「しっかり握りこんだ時に、初めてブレーキがロックする」というダイレクト感もこのレバーの魅力だと思ってます。
最初から制動力が高すぎるブレーキを使ったがために「ブレーキが滑る状況」でブレーキレバーを強く握りこむ事ができなかったり、ブレーキに頼らないライディングが出来なかったり…。レバー比が高すぎてブヨブヨのレバーで乗るがゆえに、いつまでも腕全体の力が抜けなかったり…。というライダーさんも少なくないです。
「制動力が高すぎない方が良い」という話には賛同しにくくても、「ダイレクト感」の無いブレーキがもたらすデメリットについては明白だと思うので、「制動力の高さ=性能の高さ」という概念を取り払うためにも、しっかりした技術を身に着ける為にも、特に初心〜初級者さんにオススメしたいブレーキだと思います。

で、こういう風に書いてると「制動力が低いんだ…じゃあダメなんだ…」と誤解する人が多いので書いときます。
制動力はMAGURA(2014〜現行モデル)と同等=実用十分。旧モデルのTRであればタブレットを仕込むだけ、現行モデルであればピストン先端を削るだけで容易に制動力の増強が可能です。