RACING LINE / ブレーキ STD

2013/06/06

 すごい勢いで新しい製品をプロデュースするRacingLine。
マスターシリンダーからスレーブシリンダー、接続パーツまでを自社でデザイン・製作してプロデュースされたブレーキ1式。削り出しの部材やチタン・アルミのパーツが目を引きますね。少々高価なのも納得です。


基本デザインは2005〜2010のMAGURA HS-33を真似てますが、各パーツを 硬めの鍛造アルミから削り出す事で、例えばブレーキレバーを強く握り込んだ時のマスターシリンダーのたわみを低減する等、ライダーの入力をロスなくブレーキングの力に活かす事。ブレーキレバーブレードを握り込みやすい形状とする事で使い勝手の良さを追求、またマスターシリンダーボディをオープンクランプとすることで、グリップを取り外すことなくブレーキの脱着が可能=整備性を向上するなど、より良いブレーキの製作に腐心したのがよくわかります。

4フィンガーレバーのおかげもあって、制動力は上々。
ピストンの径や、プッシュロッドとレバーブレードを固定するボルトの位置など、基本的にはMAGURAと同じ寸法なのでレバー比も共通のはずですが、なぜかMAGURAより制動力が高い様に感じます。まぁ、その分ブレーキレバーを握り込んだ時のブヨブヨとした感触があるのでブレーキブースターの装着は必須ですね。ブースターを着けてもブレーキのブヨブヨ感はごまかしきれないので、「カチっとしたブレーキレバーのタッチが好き!」というライダーさんには使いにくいかと思います。

もちろんメーカーもブヨブヨ感については理解しているし、ライダーからの意見を取り入れてやや短めの「3フィンガー」のレバーを。プロデュース。ブヨブヨ感を嫌うなら変更してやると良いでしょう。
個人的にこのブレーキを使い続けるなら短めのレバーブレードに変更すると思いますが、「とにかく制動力が高いブレーキが欲しい!」というライダーさんには純正の4フィンガーのレバーのまま使ってみてほしいブレーキです。

2013年夏の世界選手権。発売直後だったにも関わらず、多くの海外のライダーがRacingLineのマスターシリンダーを使用していた事は、このブレーキの性能と魅力の証明だと思います。

注)スレーブシリンダー側のホースの接続パーツがアルミ製であり、ぶつけると簡単に折れます。
ホースの接続部分を保護する、やや大ぶりなブレーキブースターの装着は必須です。