Try-all / FORXX

2014/10/28

 どこまでも軽量マニアだったKOXX/Try-allが最後にプロデュースした20in用フォーク。
「軽くする事でライダーの力が失われていては、結局デメリットの方が大きい」という他メーカーの思想を理解した様で、ハブの固定部分をフレームのリアエンドの様な削り出しのブロックとする事、このブロックとフォークのブレードをべったりとくっつけるために、ブレードの先端部分を太くする事で剛性のアップを狙ったデザイン。
リムブレーキで乗ったのでディスクブレーキで乗るのに比べるとガッシリしてるのはもちろんですが、リムブレーキだという事を差し引いても「ガッシリ感」は上々。もちろん、ブレードだけでなくコラムの下部にしっかりと厚みを持たせているのもガッシリ感の要因だと思います。

特に前輪を障害物にひっかけたハンガー状態で、フォークがたわんで力が逃げない⇒ライダーのアクションが跳ぶ事につながるし、前輪もしっかりとつぶれて、タイヤの反発がまた跳ぶ事をサポートしてくれます。ハンガー状態で「さぁ飛ぶぞ!」とプッシュした時の姿勢の崩れにくさもまた大きなメリット。
「姿勢の崩れにくさ」について考えるなら、下りのブレーキング時にフォークがビヨンビヨンして挙動が乱れたり、バランスがくずれたりという症状が出ないのもガッシリしたフォークのメリットだと思います。

フォークのしなり…なんて話もききますが、1本のパイプで“しなり”なんて生まれません。チタンやクロモリならいざ知らず、アルミのぶっといパイプではまず無理。確かに前輪をひっかけたハンガー状態ではフォークのビヨンビヨンとした感触はあるし、それを「動き出すためのきっかけ」として使えるのも確かだけど、跳ぶ高さが増える程のしなりは得られません。
ガッシリしたフォークで乗れば、この事はリアルに体感してもらえます。


オフセットが少ないのも最近の流行のデザイン。ただでさえクイックな20inで、さらにハンドリングがクイックになるのはいかがなものかと個人的には思いますが、ライディングに悪影響をおよぼす程のクイック感では無いし、「大きく跳んで、前輪を刺してからのスイッチ!」という現代のテクニックを考えると、オフセット少なめのデザインが理に適ってるのは間違いないと思います。
良いフォークだと思いますよ。