MONTY / Pro Race 20in フロント
2014/11/13

 MONTY社が作ったトライアル用20inタイヤ。
「MONTYはグリップが悪い…」なんて話を聞いたことがありますが、タイヤを作ってる工場はMAXXISの工場なのでゴム質が悪いわきゃ無いです。
古いタイヤか、ゴム質が劣化したタイヤか、あんまりわかってない人の評価か…、真相はわかりませんがグリップに関しては優秀な部類でないかと思います。

センター部分のブロックは背を低めにする事で、ブロックのヨレによるおかしな挙動を抑えつつ軽量化に貢献。対してショルダー部分はややブロックを高め。土などのやわらかい斜面に食い込んだり、きわどい斜面でブロックがヨレる事で粘ったりと、グリップ力の向上を狙ったデザインだと思います。
このショルダー部分のブロックのおかげで、斜面やきわどい角度の岩肌でのグリップはなかなか良いと感じます。
ただ、ショルダー部分のブロックの数が少ないためか、横方向のグリップに関してはTry-allやMAXXISに比べると「あぁ〜、オレもうアカン?落ちる??」という【粘りの最後のひと踏ん張り】みたいなのがなくて、限界超えたらズルっといきなり滑る感覚があります。グリップの限界は高い方なんですけどね。


サイドウォールがペラッペラなのでどうしても空気圧は高めで乗る必要があります。「やや高め」にしておくとちょっとした凸凹でタイヤの反発を使うには良いけど、岩や障害物の『角』に乗せるとタイヤが簡単につぶれすぎて=リムが底付きしてオイシイ反発が返ってこない…。空気圧を「かなり高め」にしておけば角を使った反発は強いけど、ちょっとした凸凹では全タイヤがつぶれてくれません…。どちらも程よく&オイシク使える空気圧は非常に狭いので、毎日そのセッティングを出すのは至難の技。もう諦めて、「岩や障害物の角での反発を優先する」のか「角以外での反発を優先するのか」を決めてしまえば、そんなにナーバスにならなくても気持ちよく使ってもらえます。

これだけサイドウォールが薄いと耐パンク性が犠牲になるのは仕方ないので、どうしても空気圧高めで乗る必要があるけど、「フロントタイヤの反発なんてあんまり重視しない」というライダーさんや、「とにかく軽いタイヤが良い!」というライダーさんにとってはベスト・オブ・フロントタイヤである事は間違いないと思います。