2008/11/24

 メーカーによっては20in/26inどちらにも、ショート/ロングのサイズ設定があります。
通常のマウンテンバイクなら「身長の高い人ほど大きいサイズに乗る」というのが筋なのですが、トライアルに限ってはこの常識はあてはまりません。

 簡単に言ってしまうなら「軽く振り回すにはショート」「段差に上りやすいことを考えるならロング」となります。
ショート/ロングの長さの違いは15mm〜30mm。ホイールベースが20mm違うと乗っただけで振り回す軽さの感覚も、段差に前輪を乗せた時のバイクの立ち方=体の自由度も変わってきます。

また、ホイールベースが長くなるのとあわせて、同じハンドル&ステムを使うなら、ショートに比べてロングの方がハンドル位置が遠くもなります。ハンドル位置が近ければ撮り回しが軽いことにもつながりますし、ハンドル位置が遠ければ身体を動かすスペース(=マニューバスペース)が大きくなります。
また、ダニエルを考えるなら、ハンドル位置はある程度遠い方が練習しやすいとも言えます。ダニエルの状態では体重をかけてハンドルを後ろに引っ張ることになります。腰の位置より胸の位置、胸の位置より肩の位置、ぶら下がるハンドルの位置は高い方が力が入りやすく安定もしやすいと考えます。

初心者さんには、基本的に長い方が良い、身長165cm以上ならロング、身長が165cm未満のライダーさんならショートの方がが良いと思います。ショートの方が取り回しが軽いし、取り回しの軽さはちょっと乗っただけでも体感出来るけれど、取り回しが軽いから=力任せで動かせるから、テクニックが身につかないという事にもつながるというのが理由のひとつ。
ロングの方がナンボか安定するし、 テクニックが身につきやすいし、単純に段差に上りやすいというのが理由のひとつです。

ある程度乗れる様になって、どんな場所でどんな乗り方をするのか?が決まってきたら、自ずと求めるサイズが見えてくるでしょう。競技の中では、キレイな助走から段差に上るなんて状況より、狭い足場の中で細かい動きを連続する方が圧倒的に多いし、こうなると取り回しもバイクの重量も軽い方が有利です。BIUをメインに走っているライダーさんがショートを愛用するのもこのためですね。
逆に、UCIなどの競技では、基本的に足場の良い状況の中で「どれだけ跳べるか?」が勝負になるので、特に26inのライダーは段差に上りやすい長いバイクを好む傾向にあります。ストリート派のライダー達も求めることは同じなので、自然とロング派が多くなりますね。

もちろん、ライダー各自好みはあります。例えば、90年代のUCIを席巻したフランスのマーク・ケイソは、小柄な身体で乗りこなせる短い26inを愛用していましたし、20inで絶好調のベニート・ロスはUCIでもBIUでもショートサイズを愛用しています。「ロングの方が段差に上りやすいって?そんなもん跳べば良いじゃないか。跳んでナンボ、そのためには軽い方が良い。ロングを使うメリットなんて判らないな」と言っていたのを覚えています。

 

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