KOXX VINCO プロモデル。
BBハイト80mmという、これまで誰も考え付かなかったトンデモないデザインのバイクの誕生は革命でした。
ナンじゃ?このゲテモノは??という見た目の印象とはウラハラに、長いホイールベースを全く感じさせない軽い取り回し。
このバイクの誕生から、各メーカーがアップBBタイプのフレームの開発・研究に取り組み、多くのモデルが生産されるようになりました。

 でも、じゃあ全てのフレームがアップBBになっていくのか?というと必ずしもそうでは無い様です。確かに、良いところは有るけれど、今までのBBの低い(いや、普通の自転車から比べたら決して低くは無いのですが…)フレームにも、アップBBのフレームにはない良さがある、ということです。

では。 アップBBの良いところを。。。
●取り回しが軽い。
 前輪・後輪を浮かせる・横に振る。という動きは非常に軽いです。
●前輪を高く上げた状態で安定する。
 いわゆる「ダニエル」 の状態ですね。 従来のフレームで少しダニエルが出来るようになったライダーさんなら、アップBBのバイクに乗れば「ビタッ!」っと止まる事が出来ます。

この2つがアップBBタイプの優れているところです。今までのフレームとどれくらい違うか…?これは実際に乗ってみればイッパツでわかります。そのくらいスゴい。

では、アップBBより今までのデザインが優れているところ。
●安心感がある。
 慣れてしまえばなんてことない問題なのですが、特に段差や斜面を真っ直ぐに下る時、アップBBのフレームは視線が高いので恐怖感を倍増してくれます。今までのデザインだと、全体的に地面に足がついた安心感がありますね。
バランスが安定する…ということではないです。ペダルの位置が高い〜重心が高いとバランスが取りにくそうな雰囲気がありますが、BBの高さとバランスの良し悪しは特に関係が無いようです。
 
「足をつきやすい 」というのも、特に初心者さんにとっては大きなメリットだと思います。
トライアルはどうしてもコケるスポーツ。横方向にポテっとこけるだけでも、BBが5cm高い=5cm高い所から落っこちるわけですから、どうしても身体への負担は大きくなります。

●よくしなる。
 アップBBのフレームはだいたいがペッタンコ=タテ方向に小さいデザインになります。 タテに小さいとギシギシとフレームがしなりにくくなります。じゃあ、柔らかめに作ったアップBBのフレームとカタめに作った今までのデザインのフレームと、どっちがよく「しなる」のか?となると、これまたムズカしい問題なのですが、アップBBの方が全体的にしなりが少ない。という事は間違いないです。
初心者さん・初級者さんには大した問題ではないと思いますが、中級者さん以上になると「自然地形の中でポンポンと飛びながら走るなら今までのデザインのよくしなるフレームの方が楽だな…」と感じると思います。

●ガードが使える。
  初心者さんには結構大きな問題だと思います。アップBBのフレームだと、ガードやペダルを障害物にひっかけるというアクションが非常に難しくなります。特に段差にまっすぐに向かっていくステアケースでは「ガードをひっかけて一休み。ふぅ〜♪」というのがほとんど出来なくなると思います。
「ガードが使えなければ、後輪まで上がれば良い!」と言ってしまえばそれまでなのですが、なかなか気力と体力がいる話だと思います。

 

 どちらが良いか?となると、どちらも一長一短。好み…というか求めるスタイルでアップBBか今までのデザイン化?を選んで頂ければ良いかと思います。「どっちが良いですか?迷っちゃって困ってます!」というなら、初心者さんには今までのデザインの物を。「とにかくダニエルがしたい!ダニエルでポンポン飛べたら絶対に楽しいハズ!」と、そこそこ乗れる様になった初級者さんや中級者さんにはアップBBのモデルをオススメしたいと思います。
中〜上級者さんには「乗り比べて良いと思えるものをどうぞ」ということで。

   

  今時のフレーム。其の弐