最近のクランクはほとんどが鍛造(たんぞう・フォージド)、つまりアルミに圧力を加えて形を作ったものです。 昔は鋳造(ちゅうぞう、つまりアルミをチョコレートの様に型に流し込んだだけ)のクランクも有ったのですが今では本当の安物にしか使われません。鍛造ではまず“折れる”という事はありません。(絶対に…とは言えませんよ)。ただし、鍛造であっても強度に劣る物も少なからず存在します。
CNC削り出し で、イカついデザインの物は見た目はかなり強そうですが、アルミの材質がよろしくないと案外ヘナチョコですぐに曲がる物も有ります。

強度、つまりは曲がり・ネジレに対する強度です。体重が重かったり、無茶な乗り方をしたりすると弱いクランクはけっこう簡単に曲がったりネジれたりします。曲がって何が困るという事も無いのですが、漕ぎにくいし力の入り方なども違ってきます。気にならない人は曲がっていても良いかも知れませんが・・・。
じゃあ、強いと何が良いか。例えばクロモリ製の頑丈なクランクを使ってみると良くわかりますが、ジャンプの時にグッと踏み込んだ時のしなりが有りません。しなりによって奪われていた力を、ジャンプのための跳躍力に使えて、少し遠く&高く跳ぶ事が出来るでしょう。ただし、良い事ばかりでもなくて、着地で大きな衝撃を受けた時なんかには、クランクが変形して(しなって)逃げていた力が身体、特に足首に直接伝わってきます。どこかの部分で強度が上がれば、負担は他の部分に来る・・・。足首やヒザ、股関節への負担、BBの破損によるケガ、これらの可能性がいくらかは大きくなる事も事実です。

26インチに限って言えば、最近のシマノのクランクは、中空構造になって軽量かつかなり強度が上がっています。デオーレクラスでもトライアルには十分でしょう。
ただ、クランクが丈夫になった分のシワよせは、BBとの取り付け部分にきますので、クランク取り付けボルトの増し締めには気を使ってやって下さい。身体への負担が大きいのもモチロンです。

 

   

  クランクの強度