加筆:2012/10/14

  「このタイヤにはどれくらいの空気圧が良いですか?」という話ですね。
まず言えるのは「空気圧はあくまで目安、あんまりコダワらなくても良い」と思ってます。理由はマニアック過ぎるので下の方に書いときます。

大雑把に「低圧」「中圧」「高圧」の3段階くらいで認識していればOK。

低圧
 スタンディング=バイクに乗って前後輪が地面についた状態で、タイヤがムニョっと(タイヤ幅の20%位)広がる程度。
空気圧が低すぎると、ハンドルをきったときに前輪が「ブリっ」と横にヨレたり、後輪がブヨブヨしてるのでわかると思います。低圧=ハンドルやペダリングに悪影響の無い程度に低い空気圧。

中圧
 スタンディング=バイクに乗って前後輪が地面についた状態で、タイヤが「フニっ」と少し横に広がる程度で、 例えばジャックナイフ、例えばウイリーやダニエルで片輪だけで地面に立った時にタイヤがムニョっと広がる程度の空気圧。

高圧
  スタンディング=前後輪が地面についた状態ではタイヤが変形しなくて、前後輪どちらかだけで立った時でもタイヤが「フニっ」と少しだけ横に広がる程度。


この3段階くらいに使い分けれたらそれで良いと思います。例えば、初心者さんがスタンディングの練習をするなら、タイヤがヨレてバランスが崩れない様に前後輪を中圧以上に。ウイリーの練習をするなら後輪を高圧に。ダニエルの練習も最初は後輪を高圧で、慣れて来たら中圧に・・・という具合ですね。
子供さんを自然地形に練習に連れて行って、「どうにもタイヤのグリップが悪いなぁ・・・」と感じたら少しずつ空気圧を下げてやれば良いし、「タイヤを軽めの物に交換したらやたらとパンクする<(T◇T)>」というなら、思い切って空気圧を高めに↑。

色んな地形を走って、色んなテクニックが身に着けば「自分にはこの位の空気圧が良い!」というのが感覚で判るようになります。この感覚がわかって、初めて空気圧を細かく測定する事にも意味が出てくる...と思います。
 

空気圧にコダワらなくても良いという理由

 「空気圧によるタイヤの感触の変化より、温度差による感触の変化の方がはるかに大きい」というのが理由です。
同じタイヤで、同じ空気圧で乗るなら、温度が高い方がタイヤ(チューブ)の中の空気が膨張して空気圧は高くなるはず。でも、実際に乗り比べると温度が高い時の方がタイヤは柔らかく感じます。夏の日の昼と夜でタイヤの感覚は全く違います。

また、同じタイヤであっても、ライダーさんの体重によっても、使うフレームの違いによっても、細かく言えばスポークの張りの強さやハンドル位置によっても、タイヤの感触は全く違うものになります。
また、その日の体調や気分によっても、ベストな空気圧は違ってくると個人的には思っています。

日本のトップライダーは、よくエアゲージで空気圧を計っている姿を目にします。逆に、ヨーロッパのトップライダーの多くはエアゲージを使いません。
一つの目安として空気圧を数値で知っておくのも良いとは思いますが、 空気圧に細かくコダワるよりは、自分で自分の適性なタイヤの感触(硬さ・柔らかさ)を理解出来る様に、考えながら・感じながら経験を積んでいくのが一番だと思うのです。

   空気圧について