2008/06/03

  キレイさっぱり洗車したら、緩んでる部分のまし締めをしましょう。あわせて各部のパーツが正常に動いてるかどうかもチェックです。

 まずは各部にガタつきが無いかチェック。
フロントブレーキだけをロックした状態でバイクを前後に揺すります。
前後にカタカタとした振動があれば、ブレーキかヘッドパーツの緩み。そのままハンドルを90°きって再度前後に揺らして、まだカタカタとした振動があればヘッドパーツの緩みと診断できます。

  前輪を持ち上げた状態でハンドルを持ち上げ、後輪を地面の上でポンポンと跳ねさせます。カタカタ・カチャカチャ・シャンシャンと異音がするならチェーンがゆるんでたりハブのロックナットが緩んでいたり、もしくはブレーキ?順次まし締めを行いながらチェックしていきます。

ステアリング
 ヘッドパーツにもよってはよく緩みます。緩んだままでライディングすると、ヘッドパーツやフレーム・フォークに悪影響必至、緩みに気付いたら早めのまし締めを。

まずトップキャップを緩めます。

使用工具:4〜6mmアーレンキー など

 トップキャップが緩んだら次はフォークコラムの固定ボルトを緩めます。
ボルトが2本以上有る場合は交互に1/4周ずつくらい回して徐々に緩めます。
1本だけ占めたり・緩めたりしていると簡単にネジ穴がバカにるのでご注意を。




 フォークコラムの固定ボルトが緩んだら、トップキャップを締める前にフロントブレーキをロックしてバイクを前後に揺らします。ヘッドパーツのシール類が有るなら、ズレたししていないのを確認してトップキャップを締めます(8〜10N.m)。


 トップキャップを締めたら再度、フロントブレーキをロックしてバイクを前後に揺らします。ガタつきが無いのを確認して、フォークコラムの固定ボルトを締めこみます(15〜18N.m)。ボルトが2本以上有る場合は交互に少しずつ締めてやって下さい。

ヘッドパーツのガタつきが治らない時は分解して整備・修理が必要です。

駆動系
 まずは緩みやすい駆動系のまし締めから。
クランク取り付けボルトをかなり大きな力で締めます(50〜60N.m)。クランクが緩んだ状態でライディングするとクランクの穴が開ききってしまって使い物にならなくなるので、特に新しいクランクは念入りにまし締めを行います。 

使用工具:8/10mmアーレンキーや15mmボックスレンチ など

 ペダルもよく緩みます。これまた、緩んだ状態でライディングするとクランク側のネジ穴が潰れてしまうので頻繁にチェック、緩んでいたら即締めます(30N.m)。
進行方向右側のペダルは正ネジ=右回りで締まりますが、左側のネジは逆ネジなので、反時計回り=左回りで締まります。

使用工具:ペダルレンチ/15mmのスパナ など

 写真の『ケージペダル』は、ケージもよく緩むのでまし締めを行います(8〜10N/m)。
プラットフォームペダル=フラットペダルなど、ピンの刺さっているペダルの場合はピンの緩みをチェック、緩んでいればまし締めします。

使用工具:3mmアーレンキー など

続いてチェーンの張り=テンションのチェック。手で触る手に油が付いて、次に手で触った所にまた油が付くので極力手で触れない事。

クランクを回すなどしてチェーンをクルリと1周させて、一番チェーンが緩む状態を探します。この状態でチェーンの真ん中部分を下から持ち上げ、1〜2mm程度のアソビがあるのが理想の状態です。
 ホイールの固定ボルトを緩めます。
緩める時も締める時も、かならず左右交互に少しずつボルト(ナット)を回すのが基本です。
「チェーンを引っ張るだけだから、右側だけで良いかぁ」と横着せずに、必ず左右を均等に緩め、チェーン引きを左右均等に動かします。

 写真の車輌はちょっと変わったタイプのチェーン引き(チェーンテンショナー)が付いてます。
ボルトを右に回すと、青いテンショナー自体が後ろに下がってチェーンを引っ張るタイプ。クルクルと左右均等に回して、テンションが良い状態になったら、ボルトを1/4周くらいゆるめてホイールの固定ボルト(ナット)をちょっとずつ均等に締め直します(25〜30N.m)。
締める時もやっぱり左右交互に。

 マガタマ型(スネイルカム)のチェーン引きは、回転させる事でチェーンの引っ張りを調整します。
左の写真は解説のためにフレームの外側にチェーン引きを着けていますが、フレームの内側にあるバイクもそのまま作業して下さい。

左右のハブ固定ボルトを緩めたら、 棒をあてがって、ハンマーでコンコンと叩きます。チェーンが良い状態に引っ張れたら、左右のハブ固定ボルト(ナット)をちょっとずつ均等に締めてください。

 バイクの進行方向後ろ側にナットが付いているタイプは、このナットを右方向(時計回り)に回す事でチェーンを張ることが出来ます。
左右のハブの固定ボルトを緩めたら、メガネレンチ等を使ってナットを回します。
チェーン引きが左右に有るなら、左右を同じだけ引っ張ってやってください。

チェーンが良い状態に引っ張れたら、ナットを1/4周左方向に回して(緩めて)、左右のハブ固定ボルト(ナット)をちょっとずつ均等に締めてください。

ホイール
リアホイールは先程作業したのでOKとして、フロントホイールのまし締めも忘れずに。
ホイールがゆがんで入っていないかの確認のため、一度緩めてから締め直すのが理想です(25〜30N.m)。

ホイールのセンターが狂っていたら、リムの触れ取り作業。タイヤをつかんで左右に揺らしてみて「カタカタ」とした感触があればホイールの締め直し作業などが必要です。

使用工具:5mmアーレンキーや15mmボックスレンチ など

ブレーキ
ディスクブレーキの場合は、フレームやフォーク・アダプターへの固定ボルトの緩みをチェック(5〜7N.m)。あわせて、ディスクローターのハブへの固定ボルトも緩みやすいので要チェックです(4〜5N.m)。
ワイヤー引きのブレーキならワイヤーの固定ボルトの緩みがないか、ワイヤーがほつれていないかをチェック、油圧式の場合はオイルのにじみやキャリパー本体に以上が無いかチェックします。

使用工具:4・5・6mmアーレンキー、ボルトに合った物。


MAGURAなどの油圧リムブレーキの場合も、ブレーキをフレームに固定しているボルトの緩みチェック(6〜7.5N.m)。
このボルトを強く締めすぎるとブレーキが正常に動かなくなったり、最悪の場合はフレーム側のネジ山が壊れてしまうトラブルにつながります。

フレームのネジ山に関しては、長く使っているとどうしても痛んできて、最終的にはネジ山がナメて(バカになって)しまうので、こうなると修理が必要になります。

Vブレーキの場合も同様に、Vブレーキ本体をフレームに固定しているボルトのまし締めを行います(8〜10N.m)。ディスクブレーキや油圧リムブレーキに比べるとVブレーキの方が緩みやすいので要チェック。
閉めすぎるとVブレーキが刺さっている「ポスト」が広がってしまうので、加減しながら締めてやってください。
あんまり頻繁にこのボルトが緩むようなら、ネジ止め剤の使用が効果的です。

 Vブレーキや機械式のディスクブレーキ(メカニカルディスク)を使用している場合は、念のためワイヤーを固定しているボルトも緩んでいないかチェック(15N.m)。

 ブレーキレバーを握ってみて、ブレーキレバーの位置や引きしろ(アソビ)を確認。「いつもと違うな…」と感じたらブレーキレバーのアソビ調整のページを参考に整備を行ってください。

 

 日常整備 その2  まし締めと各部のチェック