2008/09/27

 ワイヤーブレーキは、つかっているとどうしてもワイヤーが伸びてきます。ワイヤーが伸びると、ブレーキレバーをやたらと握りこまないとブレーキがかかりません。
ブレーキレバーの位置とアソビの調整方法です。


 まずは用語の説明です。
ブレーキレバーを握っていない状態が「初期位置」(オレンジの線)。
ブレーキレバーを握って、止まる所が「制動位置」(緑の線)。
レバーの初期位置から制動位置までの距離(青い矢印)が「ブレーキレバーのアソビ」。
です。

 初期位置の調整方法

 「ブレーキレバーの初期位置がハンドルから遠すぎる!常にブレーキレバーに指をかけているのがシンドイ!!!」という場合は、ブレーキの初期位置を調整します。
ブレーキレバーによりますが、大体はブレーキレバー本体、ハンドルの中心側にブレーキレバーの初期位置を調整するボルトがあります。2〜3mmの六角レンチや『+』のドライバーなど、ボルトに合った工具で右周りに回します。

 回せば回しただけブレーキレバーの初期位置はハンドルに近づいていくので、実際に乗って触って試しながらベストの位置を探してください。

 アソビの調整方法

続いて『アソビ』の調整、まずは用語です。
左の写真が「アソビが少ない」状態。「レバーが遠い」と言ったりもします。
右の写真が「アソビが多い(大きい)」状態。同じくこれを「レバーが近い」と言ったりします。

 ワイヤーブレーキは、使っているとだんだんワイヤーが伸びてアソビが大きくなります(=ブレーキの制動位置がハンドルバーに近くなります)
「あんまりレバーが近いのはイヤだな・・・」という場合は、制動位置を正しい位置に戻してやる必要があります。
ほんの少しの調整であれば、ブレーキレバー側の「アウター受け」を左に回してやることで、調整可能です。
左に回すと「アソビが少なく」なり、右に回すと「アソビが大きく」なります。

 「アウター受け」を左に回すと、ネジ部分がどんどん外に出てきます。
ブレーキレバーの制動位置がちょうど良くなるところまでアウター受けを回したら、アウター受けにくっついてるナット(←写真:指でつまんでるパーツ) を右に回して「これ以上回らない」という所まで締めます。

このナットはアウター受けの緩み止めの意味があります。

「アウター受け」の回しすぎには要注意。
「便利だなぁ♪」と回しすぎると、折れたりねじ山が潰れたりする原因になります。

アウター受けのネジ部分が5mm以上見えたら要注意。ここが限界点で、これ以上アウター受けを左に回すのは厳禁です。

 ブレーキレバーのアソビが大きくなってきたら、アウター受けだけで調整せずに、ブレーキ本体で調整するのが理想的。まずは、ワイヤー引きのディスクブレーキの場合。

まずは ブレーキ本体(キャリパー)のワイヤー固定ボルトを緩めます。 (反時計回り)




 ワイヤー固定ボルトが緩んだら、ワイヤーを固定する位置を調整します。
要は、ワイヤーが伸びた分、ワイヤーの根元からワイヤーの固定位置までの長さも長くなっているので、根元からワイヤーの固定位置までが短くなる様に調整しなおしてやります。

 言葉だけではピンとこないという方は、実際に試してみるのが一番。
ワイヤーの固定ボルトを緩め、ワイヤーを固定する位置をどちらかに3mmほど動かしてみて、ブレーキレバーを握り比べてください。

ワイヤーの新しい固定位置が決まったら、ボルトを右に回して(時計回り)ボルトを固定します。(締め付けトルク18〜20N.m)

 

 続いてはVブレーキの場合

 ワイヤーの固定ボルトを緩めます(反時計回り)。

 「Vブレーキのアームを押さえておいて、ワイヤーを引っ張る」という要領です。
ディスクブレーキと同じく、 ワイヤーの根元から固定位置までが少し短くなる様にしてやります。

 ワイヤーの固定位置を少しズラしてボルトを仮止め(軽く固定、もちろん時計回り)。
この状態でブレーキレバーを握ってやれば「ブレーキレバーの制動位置がどのくらい変わったか?」を体感できます。具合が悪ければ、少しワイヤーの固定位置を調整して再度チェック。
良い位置に調整できたらボルトを本締めします(締め付けトルク:15N・m)。

これにてブレーキレバーのアソビ調整は終了。

 Vブレーキの場合、ここでもうひとつチェック。
ブレーキが片効き(左右の動きが対等でない状態)を起こしている様なら調整が必要。詳しくは『Vブレーキの取り付けと調整』のページにて。

 

 ブレーキレバーのアソビ調整