キッチリと整備してあれば、現在のブレーキを使って「きかない!」ということはまず有りません。 でも、「どうしてもきかへん、ホンマにきかへんねん!」という方のために原因と対策を。

●ブレーキシュー
 「良くきくブレーキシュー」を使う事が大前提です。
MAGURAのHS-33やVブレーキに最初から着いてくる黒いゴムのブレーキシューでも、キツめにサンディングしていればしっかりききますが、特にリアブレーキ=大きな制動力が必要な所には、トライアル用に作られたブレーキシューの使用をオススメします。

●まずは洗う
 良いブレーキで、良いブレーキシューを使っているのにきかない。一番よくあるのは「リムやディスクローターに油が付いている」というケースです。
油一滴で、どんな高性能ブレーキもクズブレーキになってしまいます。まずは洗剤でゴシゴシと洗うことです。アルコール等でリムやシューの表面をキレイにするのも効果的ですね。
ただし、ディスクにしても、リムブレーキにしても、一般的に売られている「ブレーキクリーナー」はオススメ出来ません。クリーナー自体も油なので。。。ダウンヒルバイクのディスクブレーキでは、少々油が付いていても走り出すとブレーキが発熱して油が蒸発するのですが、トライアル走行ではディスクの発熱量なんてたかが知れているので、基本的にクリーナーはNGと考えてください。 「ゴムを痛めません!」と書いてあるパーツクリーナーに限り使用OKです。

 ディスクブレーキに関しては、「ディスクローターを強い炎であぶる」というのも効果的です。
ホームセンターに行けば、カセットガスコンロ用のガスボンベに取り付けて使うタイプの簡単なバーナーが売っているので、ディスクの使い始めや「ききが悪くなってきたな…」という時には役立ちます。
※取り扱いにはくれぐれも注意してください!※

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●整備不良
 油圧式のリム・ディスクブレーキの場合、ブレーキ内部に小さな気泡(空気の泡)がひとつ入り込んだだけで、ブレーキ本来の性能は発揮されません。油圧ブレーキの場合は完全なエア抜き作業が必要です。

機械式=ワイヤーで動かすタイプのブレーキの場合、例えばブレーキレバーを握った力が「ワイヤーの伸びやアウターホースの縮み」によって逃げている場合があります。この場合はワイヤー・ホースの強化がオススメ。

また、ブレーキシューがリムに対してまっすぐに当たっていないというのも、ブレーキがきかない原因になったりもします。

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●ブレーキシューのイキが悪い
 リムブレーキのブレーキシューは基本的にゴムで出来ています。
ゴムは長い間空気に触れているとだんだん硬くなってきます。古いブレーキシューはそれだけでききが悪いと。ブレーキシューも鮮度が大事です。

 

●ネリー
 サンディングしたリムで長い間乗っていると、だんだんとサンディングでつけたリム表面の傷が浅く=山が減ってきます。この時、良く見るとリムに付けたキズの溝の所に灰色の物体が詰まっているはずです。
この灰色の彼は通称「ネリー」君です。どこから来たの・・・?といった感じですが、実はアルミとゴムの削りカス。このネリーが沢山リムにくっついた状態ではブレーキもシッカリときいてくれません。
一々ネリーを取り除くのは大変なので、こうなったらもう一度サンディングして下さい。
 

 

 これらを試してもまだききが悪い・・・という場合は、お近くの技術者に見てもらって下さい。
良いブレーキで、ちゃんと整備していれば「きかない!」なんてことはまず無いはずなので。

   

  ブレーキがきかない!?